1月31日
で…ま…ご…ぎぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・・!(ドミトリ神父のうめき声)
はい、ども、ヨシカワです。
88さんに限らず、いろんなところでアンジェロ人気ありますなあ。
すごいなあ。いいなあ。ねたむなあ。そねむなあ。
我が子に毒林檎食わす女王様の気分ですなあ。嘘です。本当は嬉しいです。
あのラストでデュボワの引止めに応じていたら次回でも楽に出せたんだけども
それじゃ「小林少年」になっちゃうし、そもそも彼の心理的造型がぶち壊しだし。
独身三十男と身寄りのない美少年、というのもなかなか淫靡ではあるが。小林君と明智探偵もかなり怪しいし。
(『魔術師』で妻に迎えた文子夫人は次回作でいきなりサナトリウム行き、
明智小五郎は小林君と二人暮しというのは凄い設定だったと今でも思う。
怪人二十面相も「君のような聡明で可愛い少年は大好きだ」とか言ってたし)
ただ少年と神父のエロティックな関係はもっと描写しても良かったか、という点だけが悔やまれる。
いずれにせよ、機会があったらまた登場させたいです。
(余談ですが、彼の姓「クートロ」は実在のカモッラのボスの名前から拝借した。本人はたぶん、まだ服役中。
・・・・・・とかバラしちゃって、ナポリから暗殺者が来たら怖いな。インターネットだし。
「往生せいやヨシカワ! タマァ獲ったる!」とか叫びながら。イタリア語で)
ところで椎名林檎は十分「現代詩人」と呼ぶに相応しいと思うのだけど、
NHKの現代詩人を扱ったシリーズに彼女が出ていながら(しかもトリ)平沢進が出ていないのは
やっぱり知名度の問題なのかな。
ちなみにぼくは巻き舌ができないので椎名林檎が上手に歌えません。
1月30日
はい、ども、「アナーキスト・イン・ザ・SFキングダム!」のスローガンでおなじみのヨシカワです。
書いちゃってから言っても遅いけど、『シガレット・ヴァルキリー』はかなりアナーキーな物語になってしまった。
クール・アンド・アナーキー。ロック・アンド・ロール。イムラヤのにくまんあんまん。(あんまんが好き)
折角だから「良識的読者」に出会い頭に「ちぇすとぉー!」と叫びつつ斬りかかる熱き血潮の薩摩隼人ヨシカワ、
「沖田も土方も近藤も伊藤も国家も資本もネイションもフィクションも、斬れ斬れ斬れ斬って斬って斬りまくれ!
ここから先はノンフィクション!これぞエモーショナル・リアリズム!」
ぐらいのクレイジーさにしても良かったかと思ったりもしたが、
数少ない支持者まで失いそうなので多少は譲歩。普通に読めます。
ところで某編集さんには「かなりエッジな作家。とんがってるところがいい」と言われました。
ニューウェーブ(死語)でトンガリキッズ(もっと死語)ですか! わーい、かっこいー!
どちらかというともう少しモードな感じになりたいです。
一足先にカバー絵を見せてもらいましたが、笹井さんの描くシモーヌは「シャープでかっこいい」けど
意外と「可愛い」のでびっくりしました。新鮮な感じ。
でも最初のイラストは「顔が怖すぎるので、もう少し美人さんにしてやってください」と注文がついたそうです。裏話。
深夜、当サイトのカウンターが一万人突破。めでたい。一人、ことほぐ。
1月29日
はい、ども、「ジル・ド・レ公爵に学べ!」の格言でおなじみのヨシカワです。(本当に学んじゃダメですよ?)
修士論文のためにずーっと『ジル・ド・レ論』(バタイユ)を読んでいるのです。繰り返しデス。
あああ頭がオカしくなりそうDEATH。
ところで彼の「白昼の戦場から夜の地下室へ」という殺人現場の移行は、どこか『愛のコリーダ』
の構成を連想させるのだが、どうか。
田中真紀子大臣が鋼鉄! じゃなくて更迭!
日本のアイアンメイデン、じゃなくてアイアンレディもこれまでか。
小泉首相にとっては切るも地獄、切らぬも地獄の選択だったのだろうが、どのみち四面楚歌である。
巨泉はどうでもいいが。いや良くないけど。ムネオも辞めたか。
政局の今後、よりも「政治」そのものの今後が気になる今日この頃である。
1月24日
はい、ども、「ウラミハラサデオクベキカ!」の後ろ向きな啖呵(現代啖呵協会賞受賞)
でおなじみの歌人ヨシカワです。
シリーズもののアイデアを練っていて、友人が素敵な提案をしてくれる。
「魔女ッ子ものってどうよ」
「それ、BBOの『ヴィヴィちゃんの大冒険』でやった」
(原題『カードギャンブラーさくら 地獄の賭博黙示録特別完全版エスポワール決闘編』)
「いや、リアル魔女ッ子もの。大人向けの」
なるほど、アダルトヴィヴィちゃんか。
じゃあヴィヴィちゃんのお母さん、未亡人31歳、秘密のサロンに政財界の多くの崇拝者を集め、
世界中の裏社会にパイプを持つ女ドクター・フー・マンチュー。女医。
フランスつながりで呪術はヴードゥ。ハイチってことでアフリカ系でどうだろう。グラマーで唇の厚い
セクシーな黒人女性。髪型は当然クールなアフロ。あだ名は黒豹。
「アダルトすぎ」
「じゃあどんなの?」
「高校生か中学生ぐらいで、魔法で悪い奴らをばったばったと容赦なく・・・・・・」
『エコエコアザラク』 というタイトルが脳裏をよぎるがきづかないふりをする。これが友情の秘訣。
「やっぱりいじめっ子とか不良とかを退治するの?」
「うんうん、いいねえ」
『魔太郎がくる!』 ? ウラミハラサデ?
で、おとう監督『ヴィヴィちゃんの大冒険』
(原題『機密報告書NO666アルデンヌの森で何が起こったか?欧州くの一お色気忍法合戦』)
の製作は順調ですか?頑張ってくださいね。『ヴィ(略)』
(原題『魔女狩り裁判ベルリン望郷編 「今度は宗教戦争じゃ、覚悟しいや!」』、
あるいは『アタックナンバー1 「頂上決戦、東洋の魔女VSブレア・ウィッチ!生きて戻れぬコートの伝説」の巻』、
さもなくば『ニュールンベルク大喜利 「判決、ヒムラーくんの座布団全部取っちゃいなさい」の巻』)
「くの一はまだしも、最後の魔女じゃないじゃん」
「真面目に考えるなよ」
1月15日
『シンデレラ』はもともとロシアの民話で、おなじみ「ガラスの靴」は
本来「毛皮の靴」だったと聞いたんですが、本当でしょうか。
なんでも西に伝わっていく時に、つづりだか発音だかが似ていて混乱が生じ、
誤訳が正当になりかわってしまったとか。
ウソも広まりゃ真実ひっこむ。ままあることである。
というわけで、後輩とごはん食べながら、ぼくもウソシンデレラを即興で作ってみた。
昔々あるところに(中略)
夢かうつつか幻か、もしも夢なら覚めないで。
しかし。
十二時を告げる鐘の音、諸行無常の響きあり。
王子様の手を振り払い、舞踏会場を飛び出したシンデレラが池田屋階段落ち。
「昇って来い、シンデレラァァァ!!」
「王子様、カッコイイ……!」
熱い、なんて熱いラブストーリーだ!『戦メリ』みたいだ!あっちはゲイだけど。
いやもちろん王子様に虎徹で額割られてるんですけどね、シンデレラ。
魔法も解けて元のみすぼらしい姿、城の真ん中で。明らかな不審人物ぶりに
「曲者じゃ、誰かある!」
という親衛隊長の号令一下、続々と馳せ参じる衛兵たち。
長すぎるスカートを引きちぎり、脚もあらわに唸るハイキックで
隊長の鼻をかすめ斬り。神道無念流の太刀筋。
ひらめく白刃をワイヤー入り強化ガラスの靴で受け止め、
血のついた指をなめ『燃えよドラゴン』のポーズで構えるシンデレラ。
しかしさすがに多勢に無勢、靴を脱ぎ捨て裸足で逃げてく愉快なシンデレラ。
「かねて徒党の多数を相手に、火花を散らして戦闘におよび候ところ、
永倉新八の刀は折れ、沖田の刀は折れ、藤堂平助の刀はささらのごとく、
下拙のガラスの靴は魔法の靴ゆえにや無事にござ候」(『シンデレラ血風録』より)
というわけで靴が間を取り持ち、シンデレラ無事に御輿入れ。
しかし最大の激戦であった舞踏会で使われたガラスの靴はのち一度も履かれる事はなく、
シンデレラの死後、故郷の神社に奉納され今に至るという。
ああもちろん継母は斬るね。芹沢鴨って名前のね。袈裟切りで。
継母も角棒持った力士数十人相手に立ち回った豪傑だったんだけども。
後輩「ヨシカワさんの頭はどうなってんですか!?」
どうもこうもないよ。失敬な。
どうも昔から恋愛小説というものには不感症気味で、つい茶化してしまう。
仏文に籍を置きながら恋愛小説がダメなんて、
焼肉屋に入ってサラダばかり食べてるヒンズー教徒みたいなものですが、
(仏文学史なんて八割が恋愛小説、うち九割が三角関係ですよ)
いまだに「これぞ!」と思った小説はV・ナボコフの『ロリータ』以外にないのである。
いや別にロリコンじゃないけどね。破滅願望があるのかな。
なんというか、感情の熱量が高いものが好きです。前に引用した『夜の果ての旅』の、
娼婦モリーとの別れの場面とか、思い出すだけで「きゅん」としてしまう。(うわっ)
あと、つかこうへい『広島に原爆を落とす日』はなぜか覚えてる。
というわけで、何かオススメがあったら誰か紹介してください。
1月14日
サークル棟の壁というのはどこでも汚いもので、うちも御多分に漏れず
「闘争」だの「連帯」だの「粉砕」だの
「女子大生のお姉さん、わしとSF研でもいかがですか・・・!」(『男塾』から無断流用)
だの数十年分のビラが珍しい「横に重なる地層」のようになっていますが、
「お兄様、髭生活、順調ですか?」というコピーと
髭を蓄えた凛々しい白人男性の古い肖像画が組み合わせてある
『髭の会』のビラは、どこで何をしているサークルなのか、いまだに不明。
連絡先も書いてない。秘密結社の暗号か?
これを見てコソコソ携帯に向かって
「こちら<お兄様>、作戦<髭生活>は実行段階に入った。繰り返す・・・・・・!」
とかやってる秘密結社員というのもなかなか間抜けで面白い。
閑話休題。
その地層の裂け目に、「人に成る式とは何だ!?」という落書きがあります。かなり古いのが。
じゃあ成人式を迎えるまで人間じゃないというのか!
いやいやそれはこういうわけだ!
と喧々諤々の議論が矢印でつながっていたりして、
「まだ紙が発明されていなかった時代には、落書きがコミュニケーションの一手段
という不思議な文化があったのだな」
と垂直に重なった情報地層の前でちょっと考古学者の気分。
寺山修司と谷川俊太郎が二人で公園のトイレを歩き回り、そこにある落書きに
「詩」を見出していた、というエピソードを聞いて真似てみたことがありますが、
本来の用途以外で公共のトイレをうろつくのは明らかに挙動不審で、おまわりさんに
誤解されそうなのでやめました。ランナウェイ。
閑話休題その二。
さて、成人式。今年もまた大人の階段踏み外したシンデレラボーイがちらほら。
大人になれ、などと傲慢極まりない台詞は恥ずかしくて言えないが、
「大人は汚えよ!」という類の台詞はめっきり聞かなくなったな、とふと思った。
なんだ、成人するまでもなくみんな大人なんだな。
カフカの一部の作品やバタイユが執拗に繰り返した
「<大人>的なものと<子供>的なものの対立」はもうなくなってしまったのか。
現代のダイナミズムの欠如はこのせいもあるかもしれない。
ところで外国には成人式ってあるんだろうか。
「脚にロープをつけてやぐらから飛び降りる」とか以外に聞いたことないな。
日本も「成人式までにライオンを狩って来る」とか
「麻酔なし、ナイフで刺青を彫る」とかやってみてはどうか。
「ライオンの毛皮を提示しない方は飲酒お断り」
「煙草は刺青を彫ってから!」
「バッファローの牙をお持ちでない方はアダルトコーナー立入禁止です」
閑話休題その三。
欧米では子供のしつけは幼児期にかなり厳しく、年を経るに従ってゆるくなる
というから、二十年もすればもう「大人の自覚」なんて求めないのかもしれない。
必ずしも見習うべきとは思わないけど。日本より犯罪多いし。
問題はむしろ「大人」あるいは「成人」の定義だな、と思う。
猿から初めて「人に成った」ネアンデルタール人。そのポイントは「労働」だ。
つまり労働しない者は人間ではないということか? ぼくはおさるですか?
チョコレートパフェにバナナが入っていないとシェフに殺意を抱くのはそのせいか?
閑話休題その四……ていい加減にしろぼくよ。
じゃあ労働を忌避する者は資本主義でも共産主義でも人間になれないことになる。
生物学的に人間でも「政治的に」人間であるかどうかが優先されるのは歴史の証明する所で
(奴隷制度がまさしくそうだ)「政治」という虚構からこぼれた者は
「人権」というこれまた虚構の恩恵も剥奪されてしまいかねないのである。
では虚構を剥ぎ取られた時、人は何に成るのか?
まあ人じゃなくても生きていけるけどね。
相変わらず脱線してばかりなので、終わる。
「ブッシュ大統領、自宅でクラッカーを喉に詰まらせ失神」というニュースを観た。
アメリカ人の場合はもちじゃないんだな。記者に発言を求められ
「みなさん、クラッカーはよく噛んで食べて下さい」
と語る姿にかつての森総理の姿が一瞬重なった。
1月12日
友人から電話。
「なあ、NHKって何の略?」
「日本放送協会でしょ」
・・・・・・なんで電話口の向うでため息をつかれなくちゃいかんのでしょうか。
こっちこそ聞きたい。
「いやさあ、もっと面白いこと言うかと思ったんだよ」
どうして電話代を支払ってまでこういうアホな事をするのだろう。
ぼくの貴重な時間を削ると給料でも出るのか? 歩合で?
一分いくらだ? 割がよければぼくにも紹介しろ。
まあ付き合うぼくもぼくですが。
「NHKはな、ナグラ、ハラダ、ケンでネプチューンのこと。お笑いの。
もう二十四時間生放送でネプチューン出ずっぱりの専門チャンネル」
「二十四時間三人だけ? いつ休むんだよ」
「一日二回『地球による食』ってあるでしょ。それが食事タイム。寝ないの。プロだから」
「衛星放送かよ!」
「衛生放送だよ。だから汚いネタは厳禁。衛生第二は『衛生は二の次』が信条だから
二十四時間下ネタやってる。今週は『ソドムの市』ノーカット版エンドレスで放送」
「もういいよ! じゃあなあ、LSDは?」
「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド」
「パクるなよ! 『エルはシュンちゃん大好き!』(『かぼちゃワイン』)も
前に使ったネタだからダメな」
なんでおまえに偉そうに指図されなくちゃならんのだ。
まあ付き合うぼくもぼくですが。いやよいやよも好きのうち?
「うーん、じゃあ<ラッキー・ストライク・デテクティブ>。探偵でな、
いざというときにラッキーストライクふかしながら推理をするわけだ」
「うんうん、なんかカッコいいな」
「で、考えてもわからんから適当に『あなたが犯人だ!』ていうと
『わたしが犯人です』って白状するわけだ。
そこでキメ台詞、『ラッキー・ストライク!』小声でボソっと」
「ひでえ探偵だな」
全部書くとキリがないのでこの辺でやめる。
いろいろデタラメをならべて遊んでましたが、最優秀賞は友人の
「TBC? とりあえずビールちょうだい、だよ」に決定。
1月11日
一年近く続けてきたこの日記だけど、どうもタイトルに違和感を感じるようになってきた。
冒険してないし。下手すると生活ですらないし。かといってエッセイというわけでもなし。
これはいかん、看板に偽りありだ。
で、新しいタイトルを考えようと思い立った。
「妄想犯罪多発地帯! ヨシカワ密着24時!」
<これは、当監獄に収監されながらなお妄想による空想犯罪を繰り返す
凶悪犯R・ヨシカワについて、空想特警警部、当プリズン所長、
妄想走査技官もも氏が傍受し書き記した克明な記録である>(小林清志の声で)
「ウソ・オオゲサ・マギラワシイ」の三拍子がそろったな。
大フィーバー。コインざくざく。
「断罪亭日乗」
これはいいかも。またパロディか、と言われそうだが。
浮いた話はないけども。じゃあダメだ。次いってみよう。
「オープン・ザ・プライス! 『病院へ』」
スタジオへ持っていくと何が違うんだろう。みんな専門違うのに。
関係ないのでボツ。
「法王庁第三課管轄『禁書室』 第二分室」
本当にあるからダメ。ていうか小説の方で使おう。
紹介状を持ってる研究者は入れるけど、ピストルと警棒を持った警備員と
二人きりの小部屋で閲覧させられるそうですよ。
決まらないので、当分このままにします。
1月9日
次回作の基本的な設定がほぼできあがる。これというのも毎日怠ることなく
夢みたいなことばっかり考えているおかげであります。
継続は痴から、もとい力なり。
1月10日
特に何もないので、昨年暮れの話。
『千と千尋の神隠し』は観ましたか? 映画も面白かったけど、
目をキラキラさせて、全身全霊でスクリーンに吸いこまれていくのが
見ただけでわかる客席の子供たちが、微笑ましくも眩しかったです。
最近の子供はませているというけど、やっぱりいつの世も子供には
「大人には真似できない部分」が確実にあるな、と思いました。
じゃあ劇場に足を運んだ「大きなちびっこたち」はどうかと申しますと、
「CMで『カオナシは、みんなの心の中にいます』ってあるよね」
「いえ、カオナシはオレです。つーか千尋はオレのものです」
「なにおう、千尋ちゃんはみんなのものだ!」
「ケンカはよせ、ここはひとまずオレが千尋ちゃんを預かっておこう」
(某サークル溜まり場にて)
もう血みどろの闘争。愛とはかくも過酷なものなのか。
1月7日
Wと二人で実家から帰ってくる。東京も日が暮れるとけっこう寒い。
帰省前に冷蔵庫は空にしてあるし、食材を買って帰るのも面倒なので
(こう見えてもちゃんと自炊しているのである。いつでも嫁に行けますよ)
二人してモスバーガーで夕食にする。ホットドッグ。
コーヒーはいいかげん飲み飽きたのでコーラ。Wはスプライト。
新潟の某定食屋には「ホットコーラ」なる、炭酸飲料の定義を揺るがすような
不思議メニューがある。温めたコーラにレモンを絞ったもの。
壁に貼った御品書きの端っこに、なんかおそるおそる様子をうかがうように
貼ってあるのが物悲しかった。
「ぼく、ホットコーラ・・・飲んでくれたら、うれしいな・・・・・・」(もじもじしながら)
サイリウムってどこ行ったんだろ。
インドネシアだかどこだかではメジャーだと店主は言うが、本当ですか?
いまだに挑戦したことはない。
「みたいTVがある」とWがいうので、さっさと食べ終え飲み残しのドリンクを持って
外に出ると、格段に寒くなっている。待ち受けていたかのように。
二人とも手には氷たっぷりのジュース。頼んだのは誰だ? なんでコーヒーにしなかったんだ?
アホですか? そこにおわしますのはアホ二人なのですか?(分裂気味)
寒さと自分への失望に錯乱しつつ、北風に襟を立て歯に染みるようなコーラを飲みながら、
冬の家路を急ぐアホ二人であった。
1月6日
晴れ。雪の照り返しが眩しいが、やっぱり天気は気持ちがいい。
しかし道路は雪でふさがっている。というか凍ってる。ラインも見えない有様。
さらに天気がいいと氷の表面が溶けて実に危険なのだ。新潟のローカル常識。
それでもガンガン車で走るのが新潟県民。
でも平気で車道を横断するおばあちゃんたち。
すごいよおばあちゃん。勇者だよ。ここはアマゾネスの国だったのか。田中大臣もいるしな。
とにかくこの交通無法地帯でよく事故がおきないものだと感心するほどで、
「ドライビング・ミスター・デイジー」の二つ名を持つぼくには怖くてとても走れない。
というわけで半年ぶりに会う友人と徒歩で近所のゲーセンへ行き、
『クレイジー・タクシー』で爆走。ああキモチイイ。
スピードというのはどうしてこんなに麻薬的なのだろう。思わず陶酔。
「お客を乗せ、交通法規を無視してあらゆる道を走り、とにかく早く目的地へ届ける」
という単純明快なルール、というかルール無用がルールのアナーキーなゲーム。
最初はそんなルールもわからず、客を乗せずに歩道をぶっ飛ばしてましたが。
「おれはウィルソン・フィリップス上院議員だ!」
とか叫びながら。わかりにくいネタですいません。
そのあとその友人の実家(閉店後のジャズ喫茶)でダラリと朝まで酒を飲む。
薄暗い照明に浮かび上がるグランドピアノとウッドベースがなかなかムーディ。
でも男二人。楽器はリコーダーしかできません。
友人はペローもソプラノも、買ったけど読んでない(あまり本を読まない)そうなので、
次作の主人公であるシモーヌについて説明してやったところ
「でじこか!? でじこなのか!?」とえらく興奮される。
電磁子? コンバトラーVの親戚か?
とか言うと二度と読んでもらえないばかりか手にした酒瓶で頭を割られそうな勢い
だったので、新春早々むこう一年分くらい口からでまかせを吐きまくる。
愛する友を裏切りたくなる衝動を時々どうすることもできない。
「そりゃもうデタラメに可愛くてちょっぴりおしゃまな猫娘ちゃんでゴザイマスヨ!
当然ロリッ子でゴザイマスヨ! 服? フリルたっぷりフレアミニのメイドさんデスヨ!
アアアタリマエジャナイカ! キキキキミノタメニ書イタンダヨ!」
(熱弁を奮いつつ視線だけあらぬ方向)
読んで驚け。
この友人(例の『あずまんが大王』ファンのWくんですが)、実はコスプレ好きで、
なんかもうその道で食べていけそうなぐらい裁縫が上手です。
「今年も行ったってね。今回はなにやったの?」
「カコートン」
ええ、三国志には詳しくないのですが(漢字で書けないぐらい)
片目の豪傑ですよね、たしか。どうやってコスチュームを作るんだそんなの。
「ああ、ナントカボードを火であぶって曲げて鎧と兜を、あと眼帯は・・・・・・」
それもう裁縫じゃない。おそるべしコスプレイヤー。
とりあえずオマル師と間違われなくてよかったな。
「CIA極東派遣員、コミケ会場でオマル師を拘束!?」
で三日後ぐらいに
「誤認逮捕! 『大変遺憾である』とラムズフェルド国防長官」
三重に恥ずかしい事件だな。
あとは酒飲んだりアイスクリーム食べたり(悪食)歌ったり踊ったり。
目くるめくような真夜中の宴。酒と笑いと男と男。(うわっ)
そんなこんなで夜が明ける。
早朝、薄明のなか雪を踏んで歩く無人の繁華街はちょっと不思議な感じで、
萩原朔太郎の『猫町』ってこんな話だったな、と思い出したりした。
猫はいないが、早起きなおじいちゃんに連れられて、犬がたくさん散歩していた。
犬は喜び早朝徘徊。猫はストーブでヒゲ焦がす(実話)。
うちの犬は雪が降ると、三歩あるいて両方まとめて用を足し、すぐ家に戻ろうとしてました。
賢いというか可愛くないというか。飼い主に似たというか。
1月3日
「若くしてデビューした作家は早死にする?」
と親が心配してるんですが、ぼくはラディゲとかランボーとか三島とかいった
綺羅星のごとき天才達には遠く及ばない、むしろ逆走ぶっちぎりの凡才です。
死んで花実が咲くものか。骨餓身峠死人葛。いやいや。
と言いながらこのところ嫌な音のする咳が止まらない。げふんげふん。
いや大丈夫。ちょっと風邪ひいたけど、元気です。
どのくらい元気かと言いますと、
「ぼぼぼボボボクハ、死ニマセン!」
と江戸城本丸へ特攻してきた機関車と相撲をとって土俵際で堀へうっちゃり
「これがわしの世直しじゃあ!」
と高笑いのスキンヘッドにフンドシ一丁の怪僧竜水ことナチュラル・ボーン・フーリガン。
ぐらい元気。ワールドカップ開催まであと何日?
「犬を食う野蛮な国(韓国)での開催は認めない!」
と大騒ぎしてた欧米の世論はどうなったの?
ちなみに日本の一部地方では「岡ふぐ」といって猫を食しますがそっちはいいの?
「じゃあ牛や豚は食べてもいいのかよ! 差別だよ! 大人はもう信じられないよ!」
なんて某政治家(弟の方)みたいな事は言いませんけどね。
「国際政治で西部劇を地で行く大統領は認めない!」
「退場」
1月1日
実家にて新年を迎える。
朝から雪。いや、大雪。
この土地で生まれ育つと憎しみはあれど風情もへったくれもないのだが、
元旦の朝に見る雪はなぜか許せる。
早朝のキッチンの裏口から(早起きじゃなくて朝まで起きてたんですが)
牛乳を取りに出てみたら、雪の上に点々と小さな可愛らしい足跡が。
この辺にはノラ犬はいない。だとすれば猫か。
新春早々ネコに会うのも縁起がいいかもしれない、福を呼ぶかも、
と思いつつ、足跡を追ってそーっと家の裏へ行ってみました。
狸がいました。
後で聞いた母の話では夏ごろから住み着いているとの事。親子らしき二匹連れ。
近づいてみましたが、警戒してすぐ逃げてしまいました。
あと、牛乳はなかった。元旦は配達しないらしい。当たり前か。
狸に化かされたんだったりして。
「正月二日早朝、頭に手ぬぐいをのせたヨシカワが裸で首まで雪に埋まり、
満面の笑みで凍死しているところを牛乳配達業者が発見。
警察では事故と自殺の両方の線で捜査を開始したが
地元の人々は「狸に化かされておったそうじゃ」と話している」
とかいった新聞記事が頭をよぎる。2002年、そんな正月。